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シュベスターピアノ Mod No.53 の調律 [ピアノ調律]

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調律でお世話になっているピアノの先生経由で、SCHWESTER Mod No.53の調律に訪問。前回の調律からは10数年経過しているとの事で、試弾してみると年数相応にピッチダウンしてはいますが、冗談みたいにに良く鳴っている。調整後の状態を楽しみに想像しながら作業を開始。十数年の間に少しずつ内部に溜まったホコリやゴミを取り除く為、内部清掃から徹底的に。内部清掃は単に掃除という直接的な目的以外に、キー下部のクロスやバランス/フロントピンの錆び、アクション裏側の状態、下パネ内部の状態を把握する作業も兼ねているので重要。アクションスクリューの総増締めをした後、下調律 + 本調律 + 次高音から上の浚いで標準音高に。キーピンの曇りで鍵盤の動作がシャキッとしないので、磨き上げ。同時に年数の経過でキーならし/あがきが若干波打ってるので修正。このピアノをお弾きになるのは、まだ小さい女の子で、タッチをもう少し軽くとのリクエストがあったので、タッチ感を軽め傾向に。シュベスターのタッチは確かに結構しっかり目で、大人でも重めと感じる方もいるかも。その他特に乱れのひどい整調工程を修正し本日の作業を完了。作業時間は7時間。続きは次回以降の定期調律で引続き。端から端まで非常に良くなるシュベスターでした。(本当に鳴るシュベスターにはそんなに出会いません)

 

このシュベスターをメインで弾く小さなピアニストが、整調作業中、話し相手になってくれたので楽しく整調が進められました。(※「調律」中はお話出来ませんが「整調」等ではOKです)絵が得意だというので猫を描いて頂く。ネコの口元が上手く表現出来てますね。あ、ホットサンド美味しかったです、ご馳走さまです。

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このシュベスターというピアノ、ネット上の一部ではやたらと評価が高いのですが、全てのシュベスターが必ずこれほど鳴る訳ではないです。ご承知の通りピアノという楽器は、木やフェルトといった自然の恵みが構成部品の多くに使用されています。同じメーカー、同じ機種、製番1つ違いであっても、出来上がったものは1台ごとに皆違う性質のピアノになります。もちろん出来上がるピアノはどれも一定の品質はクリアしていますが、全てが超理想的に仕上がる訳では無いのです。同じくネットで評価の高い大橋やベルトーン、イースタイン等も同様です。要はピアノを選定する際は、慎重すぎるくらい入念に試弾する必要があるという事。他人の評判はあくまでも参考程度にして頂いてくれぐれも鵜呑みにしない事です。

 

それとここ数年増えてきたのが、とにかくピアノを安く手に入れたいが為に、ネットオークションで試弾もせず手に入れたり、ぱっと見は綺麗だが楽器としては...という安い中国製のピアノを十分な試弾無く購入される方々。納品されてから、弾き難い、音色が云々と私のところにも調整依頼を頂く事が多くなってます。安くお求めになっても、結局あとで良い楽器にする為に必要な経費が掛かります。楽器はオブジェではなく楽器ですので、試弾しないで買うなんて考えられません。皆さん楽器は必ず試弾して買いましょう...お願いします...


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