年末年始のお休みのお知らせ [ピアノ調律]
年末年始休業日のご案内
誠に勝手ながら
12月30日(金)〜1月3日(火)までを休業とさせて頂きます。
休業期間も「お申し込みフォーム」からピアノ調律・修理のご予約は受け付けておりますが、こちらからの返信は、1月4日(水)以降となる場合がございます。皆様にはご不便お掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
キンボール(kimball)ピアノの調律・修理 [ピアノ調律]
kimball(アメリカ製)のアップライト、アクション及び鍵盤のお預かり修理、調律、調整です。40年以上経過しているとの事で、予想はしていましたがハンマー、ジャック、ウィペン、ダンパーの多くにスティックが見受けられる状態でした。併せて鍵盤のブッシングクロスもすり減っていたのでこれもアクションといっしょにピックアップさせて頂き、まずはこれらの修理からです。
ハンマーバットのセンターピンを全て交換します。
右上の長い方が新しいセンターピン、左隣のが40年以上経過したセンターピン。分かりにくいですが古いほうは表面がくすんで錆び、フレンジの回転運動の妨げとなりますので交換しておきます。
古いブッシングクロスは接着が切れていてポロっと取れたりします...交換です。
センターピンを保持しているこの赤いブッシングクロスの両端のトルクを左右均等且つバットに最適なトルクとなるようリーマーで調整していきます。リーマーの削りかすが残らないようエアーでしっかり飛ばしておきます。
バットスプリングも弱っているようで、少し触っただけで折れてしまいました...交換です。
バットスプリングはピンコードを通して保持。
革のブライドルチップも大分劣化...
ブライドルチップも全て交換する事に。形が元の物と同じになるよう型抜きしておきました。
バットフレンジのいくつかに割れが見られました。
接着剤を圧入。
コーヒーブレイク。
ジャックフレンジの現状。センターピンがずれて右側に飛び出しているのが確認出来ます。
ウィペンのセンターピンもずれて飛び出し、反対側はブッシングクロスが飛び出してます。
ジャックとウィペンのセンターピンを交換。
こつこつ全て交換します。適正なトルクを意識しながら慎重に作業します。フレンジの木と木の接点も要チェック。
各フレンジのセンターピンを交換している中で、時々とんでもなく太いセンターピンが入っている箇所がいくつかありました。
このピアノは #21 なのですが #23 が無理矢理使われている箇所が。これは以前誰かが打ち替えたことは想像に難くないですが、これは無いなぁ...
ウィペンヒールクロスも古いものを剥がして
全て交換。
ダンパースプーンも研磨しておきます。左が現状、右が研磨後になります。
ダンパーフレンジのセンターピンも交換。現状ではかなり抵抗があり、これはタッチを相当重くしていた筈。
ダンパーレバークロスにスプーンの跡がくっきりと。これも交換です。
古いダンパーレバークロスを残らず奇麗に剥がして、
新しいレバークロスに交換。
こつこつと全て...
交換です。
何か変なダンパーレバースプリングが。換えられているようですが先端がはみ出してます...
修正しておきました。
くすんだダンパーロッドは雑音の原因や動作の妨げに...
磨き直し。
次高音から上のダンパーが効かないとお客様が仰っていたのですが、原因はダンパーロッドを保持している部分のクロスのへたりが主で、ぶかぶかの状態の為動作不良。クロスの交換です。
Today's BGM
土岐麻子嬢のソロになりたての頃のヴィレッジヴァンガードでのLive。大石学さんのフェンダーローズのみで唄ってます。高音キーの不調をものともしない大石さんのピアノも素晴らしいですが、まだcymbals臭の抜けきらない土岐さんのあっさりした歌い方が良い感じ。
ハンマーの弦溝もなかなかの状態。
ファイリングしておきます。
鍵盤のバランスブッシングクロスもすり切れていました。
フロントブッシングクロスも同様にすり切れ。
新しいブッシングクロスと交換です。
スチームで剥がしていきます。
全て剥がしていきます。
全てのブッシングクロスを交換
事務所の3Fで一休み。
キャプスタンの頭も研磨しておきます。
少しでも余分な抵抗を無くしたいですから。左が研磨後、右側が研磨前です。
鍵盤の張り合わせの部分が少し開いていました。
接着剤圧入。
いわゆるアメリカ的仕事ですね...
スベスベに研磨しておきました。
猫の最終チェックを受けOKを貰いました。
「パンチングクロスonパンチングクロス」!斬新ですね...おまけに虫害が酷いです。
フロントも虫害。
全て取り払って
新しいパンチングクロスに交換。
調整作業をしている間に上前パネルの剥がれたところを接着しておきます。
美しいキンボールのデカール。屋根内側なので焼けがないですね。
こちらのお宅には状態の良いチェンバロもあります。
下調律と本調律でなんとか止まりました。
音色のほうもキンボールの良いところが出てきたように思います。ただこのピアノ、整調が相当荒れているので引き続き今後の定期調律で整調を根気よく見直していく必要がありそうです。調律3回目くらいには、大分本調子になるかなと思います。
キンボール(kimball)ピアノの調律・修理@東京都三鷹市
ヤマハグランドピアノG2Dの調律 [ピアノ調律]
事務所でのアクションの修理作業も一段落したら風邪をひいてしまったようです。ひきこもって作業していると、外での調律は息抜きにもなって良いです。ヤマハのグランドピアノ(G2D 製番70万台 2本ペダル)の調律に伺いました。昭和43年納品のピアノですが、最低一ヶ月に1回は調律している為(一般家庭ではないので調律の頻度が高い)、状態は安定していて、狂いは多くてもせいぜい+-4cent以内の事が多いです。ピッチがきわめて安定している時は、整調、整音等に多く時間を割く事が出来ます。外装も時間のあるときにこつこつ磨いているので写真のようにピカピカです。調律を含むメンテナンスを欠かさないことが、ピアノにとって大切です。手を入れた分だけピアノは答えてくれます。
窓からは都会の真ん中とは思えない景色が。
グランドピアノの屋根に紅葉が映り込んで奇麗です。
ヤマハグランドピアノG2Dの調律@東京都港区