SSブログ

カワイピアノK8の修理・調律 [ピアノ調律]

少し前にやったカワイのアップライトピアノ K8 の修理、調律。2本ペダルで少々年季が入ってきてますが、まだ頑張れそうです。とはいえ、いきなり出先で調律に入れるような状態ではありませんので、一端アクションをピックアップしてきて、動作に支障のある箇所など修理をした後、調律作業という流れになります。
01k8_hammer_stick.jpg
ハンマーアッセンブリー周りを診てみると、ピアノの年式から想像に難くないですがバットフレンジはお約束のスティックを起こしてますので、センターピンは全て交換しておきます。バットスプリングも劣化して元気がないのでこれも交換。ブライドルチップ&テープも劣化しているので、この機会に交換しておきましょう。

02k8_butt_flange_ware.jpg
部品達がセンターレールに止まっている時は気付きませんでしたが、外してみると複数のフレンジがパックリ割れていました...要修理ですね。

03k8_damp_flange_ware.jpg
ダンパーフレンジも割れとる...

04k8_butt_centerpin.jpg
バットフレンジのセンターピンをせっせと88本全て交換。

05k8_butt_spring1.jpg
弱ったバットスプリングも新しいものに交換。

07k8_butt_spring2.jpg
バットスプリングはバットのちっさい穴にオーバーサイズのピンコードを通して保持されています。

08k8_catcher_hazushi.jpg
ブライドルチップ&テープを交換する為、一端キャッチャーを外します。

09k8_bridol_hari.jpg
新しいライドルチップ&テープをキャッチャーシャンクに貼って

10k8_bridol_new.jpg
キャッチャーをセット。これも88個やります...

11k8_hammer_nikawagire.jpg
膠切れをおこしているハンマーが複数ありましたので、痩せているシャンクは併せてシャンクも交換しハンマーヘッドを再接着しておきます。K社の接着は長らく難有りという印象が...

12_1k8_action_barashi.jpg
ウィペンとダンパーが控えてます...先は長い...

一息入れて Today's coffee
12_2k8_coffee.jpg
Tullys BRAZIL FAZENDA BAU.

Today's BGM
12_3k8_todays_bgm.jpg
SHIBUYA-FM. 開局依頼いっさいのブレ無し。コミュニティーFMながら日本一の FM station だと思う。

13k8_wippencloth_old.jpg
ウィペンヒールクロスもキャッチャーの頭でボッコリへこみ且つ硬化してますので交換。ウィペンの幅に対して、ヒールクロスのサイズが...K社よ...

14k8_damp_centerpin.jpg
ダンパーフレンジのセンターピンも全て交換。

15k8_damp_cloth_old.jpg
ダンパーレバークロスのダンパーレバーとの接点も硬化しているので交換しときます。

16k8_damp_cloth_kae.jpg
レバークロスを交換。

17k8_damplever_punch_old.jpg
ダンパーレバースプリングとパンチングの接点もすり切れているので交換。

18k8_damplever_punch.jpg
交換。

19k8_cloth_kae.jpg
こんなところも。ダンパー突上棒のガイドクロスがカピカピの干物になっとります...交換。

後は出来上がったアクションをピアノにセットし、ようやく調律、整調、その他作業に入ります。このピアノ、後は鍵盤鉛調整を見直してあげると良さそうです。アクションがスムースな動きをするようになって、鍵盤の挙動がより顕著となりました。鍵盤後方に鉛を追加してあげると良いかもしれません。

Today's ねこ
20_neko.jpg
猫よ、それは猫草ではない...

カワイピアノ モデル K8 調律・修理 @東京都目黒区
nice!(0) 
共通テーマ:音楽

コルグ消音ピアノユニットKS-320の取付@piapitさん [ピアノ調律]

Picture 7.jpg

ピアノ修理工房 某ピアピットさんから連絡があり、訳あって人手不足につき消音ユニット取付けておくんなまし!との事で行ってきました。ピアピットさんに行くのもしばらくぶりですが、コルグの消音ピアノユニットを取付けるのもこれまた久しぶりでした。このところマジックスターばかり取付けていたので。

コルグの消音ピアノユニットは、元々はテクニクスがやっていたものをコルグが引き継いだ格好で、故に消音機構はまんまテクニクス時代の仕様です。それはそれで構わないのですが、音源がテクニクスからコルグに変更になっていて、これが何度聞いても私には今一つな音に聴こえ、最近はマジックスターに流れていた次第です...コルグの初期ユニットKS-15/32の音を聴いて「うーん、もう少し...」、KS-10/30では「これでは退化しとる...」という感想を抱いた方も少なからず居たようで...私もです。で、現行のKS-320を取付け「音色」をチェックしてみると、これまでの音源よりずいぶんマシになってました。アタックのしっかりした元気な音色で、ブリリアンスが3段階ではあるものの用意されているので、弾き手の好みで調整すればOKです。ブリリアンス調整はマジックスターにも採用してもらいたいところです。マジックスターの音色はコルグとは対照的にメローな音色で、これはこれで良いのですが、もう少しタイトにしたい時もあります。ブリリアンスに自由度があればPIANO01とPIANO02以外にわざわざ他のアコピの音色を用意しなくても済む話です。

鍵盤下のセンサーは、KS-10/30から採用の完全非接触タイプがKS-320でも採用されています。従来のアクチュエーターのタイプですと、アクチュエーターの支点付近から雑音が発生する事があったり、アクチュエーターと鍵盤下部の接点で雑音が出るケースがありましたので、非接触は歓迎です。ただ鍵盤裏にスペシャルシートを貼るというやり方、もう少しスマートな方法はないのかな...

 

センサーの位置決め中...

Picture 3.jpg

 

現行のコルグは非接触式光センサーに

Picture 4.jpg

 

消音バーの取付け中

Picture 5.jpg

 

音源ボックス近影

Picture 10.jpg

 

ピアピットさんの新しいスタッフはまだ小さい...

Picture 2.jpg

 

この日は気温35度近くあってアツカッタ...

Picture 6.jpg

 

象牙を漂白中でした

Picture 8.jpg

 

アップライトピアノを縦にばっさり切ったものがありました。チューニングピンがどのようにセットされているのかが良く分かります

Picture 9.jpg

 

.

.

.

 

そして,,,

 

気付けば家の猫が15歳になってました。

2011neko.jpg

頭のてっぺんが白いのは、2年前に受けた放射線治療の後遺症の様。もともとはこんなカッパみたいなデザインではなかったのですが、まぁ頭頂部が白いのも愛嬌があってこれはこれで良しということで...


nice!(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。