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ピアノ消音ユニット 「マジックスター S」|カワイ KS-5F への取付け [ピアノ調律]

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カワイのアップライトピアノ KS-5F に消音ユニット「マジックスター S 」を取付け。これまではコルグ(旧テクニクス)を取付ける事が多かったのですが、マジックスターの消音ユニットがなかなか良く出来ているので、最近は好んでマジックスターを取付ける事が多くなりました。マジックスターは旧ソルトンの流れを汲むユニット。

 

これまで消音ユニットをカワイへ取付けする場合、ピアノ側、ユニット側に多くの加工や工夫が必要でしたので、それはそれは大仕事でした...が、マジックスターには一部のカワイ向けのコンポーネントが用意されていて、今回はそれを手配し取付けたのですが、これが非常に良く出来ていました。

 

これまでカワイに取付ける際、必ず必要だった鍵盤下「筬」の切断は、センサーが非常に薄くなっている為、必要無くなっています。10年来、出先でいったい何台のカワイピアノの筬を切った事か...良い時代になりました。

 

ついでカワイ向けのコンポーネントの「消音バー(ストッパー)が秀逸で、中音ブラケットを避けられるのはもちろんですが、ダンパーブロック及びスクリューが干渉しないよう、あらかじめ上手く加工が施されています。この部分にもこれまで本当に苦労させられましたので、これはありがたい使用です。従来、コルグ(旧テクニクス)やその他ユニットをカワイのピアノに取付ける場合、ダンパーブロックスクリューをイモねじに交換したり、ダンパーフェルトを加工しなおしたり、ダンパースプーンの掛かりを気持ち遅らせる等、某かの処理をしないと、カワイの場合必ず中音ブラケット右側(割り振り下辺り)のダンパー何本かが上がりきらない事になります。他所で取付けたユニットもこの部分を上手く処理出来ていないものは散見されます。この部分の処理が上手く解消されているのはありがたい。

 

消音バー(ストッパー)周りでは、軸受け部がコルグ(旧テクニクス)のように遊びがある訳ではないので、シャンクにストッパーが押された際もブレが少ない。併せて直線性が出しやすくなっています。直線出し用にスペーサーが何種類か同梱されていて、これらの組み合わせと軸受けのブレの無さにより、消音バー(ストッパー)の直線はかなり出しやすいです。またきちんと取付けている前提で、コルグ(旧テクニクス)より消音バー(ストッパー)周りの雑音も出難い印象です。他所で取付けたコルグ(旧テクニクス)の消音バーが雑音を出しているのを見ることは割と頻繁にあって、ストッパー周りの処理に苦労される方は多いようです。この点は長期的に経過をみる必要がありそうです。

 

各消音ユニットメーカーが最も気を使うであろう PIANO 1 の音色に関しては、ファツィオリからのサンプリングになり、どちらかというと暖かみのある音色で両端(最高音、最低音)に向けてなかなかリアルな音を出します。この感じは割と好みです。最高音では「コンっ!」と木のニュアンスが良く再現されています。長時間の使用でも疲れ難い音色かと思います。

 

 但し、PIANO 1 の音色に関して、場合によってはもう少し明るめ或いはタイト目に振りたいという場面があるかもしれません。PIANO 2 だとHOUSE MUSICに使用されるようなドンシャリがきつい音色になるため、PIANO 2 が代替になるとも言えません。先日、マジックスターの関係者の方に直接お会いする機会があったので、この件に関して「ブリリアンス調整(コルグには搭載されている)」を追加して頂くか、 PIANO 1 とPIANO 2 の中間の音色を追加して頂きたい旨、フィードバック差し上げました。「ブリリアンス調整」のほうがユーザーに自由度があっていいと思います。他の音色でも使えますし。

 

コルグ(旧テクニクス)もマジックスターも、良い面不満な点がありますが、全体的にこのマジックスター S は、なかなか良く出来ています。今回カワイピアノ側にほとんど手を加える事なく取付けが可能でした。

 

カワイへの取付けで筬を切断せずにキーセンサーが無理なく収まる。

key_sensor.jpg

 

一部カワイ用補助プレート。適切な位置に消音バー(ストッパー)を取付け可能。

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消音バー(ストッパー)の直線性を出すのに使用するスペーサー。

 spacer.jpg

 

カワイ用消音バー(ストッパー)中音部分。ダンパーの動作を妨げない処理が。

kawai_stopper.jpg

 

持ってて良かった、Eリングセッター。

ering_setter.jpg

 

意外と立派なヘッドホンが付属。

magicstar_headphone.jpg

 

コルグよりもひとまわり小さい本体(操作部)は、棚下に収納される。シンプルです。

magicstar_mainbody01.jpg

 

本体を手前にスライドすると液晶と操作ボタン等が。

magicstar_mainbody02.jpg

 

液晶にはブルーのバックライトが採用される。

magicstar_mainbody03.jpg


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