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アトラスピアノの調律(助手は猫のロシアンブルー) [ピアノ調律]

アトラス(C5C)ピアノの調律。

atlasc5c.jpg

わりと小振りなアップライトピアノで、

使いかっての良さそうなサイズ。

外装は状態も良く、綺麗な色の木目が素敵。

さっそく調律にとりかかるべくピアノの外装を外したところ

まず目に付くのは、かつて鍵盤が折れたらしく

以前のピアノ調律師さんが、

おそらく出先で修理したであろう鍵盤が、次高音に1鍵。

key_broken.jpg

鍵盤が折れてしまった場合の応急修理は、

調律師さんによって多様な処置をしていて興味深い。

 

大変美しい猫のロシアンブルーがやってきて

一緒にピアノをチェックしてくれています。

猫の世界では基本の、鼻と鼻での挨拶を済ませたら

さっそく低音部ハンマーのパンクを見つけたようです。

Russia_onpiano.jpg

 

響板(きょうばん)の状態も入念にチェックします。

Russia_inpiano.jpg

 

このピアノ、以前はマンションのわりと上のフロアにあったピアノで

半年ちょっと前に、現在の戸建ての一階に移動されたとのこと。

以前のピアノの設置環境は「ドライ傾向」で

今回の場所は慢性的に湿度の高い環境。

その為、乾いていたピアノがみるみる湿気を吸い

ハンマーバットフレンジは、全域に渡ってスティックぎみに。

特にスティックの酷いフレンジの、センターピン8本を交換。

響板も同様に湿気を吸ってしまっており

ピッチは半年ちょっとで 10cent も上昇していました。

あまりに高いピッチになってしまうと

音に伸びやふくよかさが失われてしまうので

調律の際に 10cent 下げる格好に。

 

ピアノの底板部分には、前回作業された方がお勧めしたという

ピアノ乾燥剤が2個入っていました。

乾燥剤が入っているのにスティック出まくりで、ピッチが上昇してしまうのは

乾燥剤の効果があまり期待できない事を意味します。

この多湿の環境に、乾燥剤を入れての対処では

ピアノが傷む一方なのは顕著ですので

次回の調律時に「ピアノ防湿器 ダンプチェイサー部分的システム(除湿のみ)」の

取付けをご提案差し上げました。

半年ほどしたら経過をみるため、再度調律です。

 

最後にピアノアクションの最終チェックを

ロシアンブルーと一緒に行い、この日のピアノの調律作業は終了。

「木の音」のする素敵なピアノになりました。

Russia_action.jpg


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